物屋敷の解決、お任せください!
物屋敷とは、生活用品や趣味の品など、使わなくなったモノが大量に散らかった家を指します。ゴミ屋敷が主に生活ゴミで溢れているのに対し、物屋敷の場合は生活雑貨や粗大ゴミ、家電といった不用品が中心となっています。そのほか、衣類や生活雑貨を大量に購入して溜め込んで積み重ねている事例もあります。
物屋敷の片付けには、様々な種類の物があり、その分処分方法も異なるため、ゴミ屋敷とはまた違う大変さがあります。
整理ができない状態で、モノが積み上がっているさまは、特にご高齢者に多い事例です。物がない時代に生まれ育ったので、捨てる行為に強い罪悪感やもったいない精神など抵抗があります。押入れや引出の中は使わない物が詰め込まれ、部屋に溢れている事も多くなり、定位置が決まって無いので戻すのが大変で放置してしまい、物の上に物を置くようになります。転倒やケガのリスクが高まりますが、モノを手放すことを徹底的に拒否する精神構造であるため、これを改善させることが極めて難しいケースが多い状況です。
高齢になった親の荷物を勝手に片付けを始めると高確率でケンカになります。家族が処分したり持ち帰ったりすると、更に片付けに対して拒否する姿勢が強固になることもあります。
これは、「ためこみ症」という疾患で、片付けることに納得いただくことができなければ、作業は不可能です。これまでの当社の実績でも、家族の依頼で現地見積もりにお伺いしても、納得されないご本人に追い返されたことは数え切れません。
片付けが成功したケースは、家族がしっかり説得されて、ご本人の納得のもとで実施できたものに限られます。その他、ケガして入院中に片付ける事例がほとんどです。
物屋敷からの脱出
物屋敷からの脱出には、ご家族の中の十分なコミュニケーションが必要です。ご病気ですので、優しくいたわりながら介護する姿勢が大切です。ご家族の協力のもと、片付を担当する私たちがご本人に寄り添う役目を担うことが重要です。
根気よく何度も説得し続ける
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- まずは普段の会話を交えながらも「何時、何処で買ったの?」「これ今使っている物?」と少しずつ解きほぐしていきます
- いきなり物をほかすのではなく、物を仕分けるという方向で作業を進めます。
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最終的には自分で解決する
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- 仕分けを進めながら、不用品も、「これは困っている人に寄付してあげようね」などと刺激しないように進めます
- とても時間がかかりますが、やむを得ません。2回に1回は業者を入れないでやってみるとか、資金計画をしっかり立てて臨むことです。
- そして、最終的にはご自分で納得して進める状況を作ります。でないと、いつまで経っても解決になりません
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私たちは、そうしたご家族の取り組みを脇から寄り添いながらサポートしていくしかありません。
ためこみ症
「ためこみ症」は、Hoarding disorderのことです。これは、不要なものを大量に集め、捨てることができない精神障害です。生活空間が散らかり、日常生活に支障をきたすことが特徴です。
【症状】
不要なものを大量に集める
集めたものを捨てることに強い苦痛を感じる
集めたものに対して「まだ使える」と価値を感じている
集めたものへの感情的な愛着が強い
集めたものによって生活空間が散らかり、使用が困難になる
【治療】
認知行動療法の技法を利用した治療が、ある程度の有効性を示している
家族関係や生活環境の調整といった心理社会的背景へのアプローチも行う
ためこみ症は、性格の問題ではなく治療を要する精神疾患です。身近に心配な人がいる場合は、専門機関や専門家に相談しましょう。